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2008.05.24

九州地域演劇協議会設立趣旨書

演劇の役割

演劇は芸術文化の重要な一分野であり、人類が今後も手放すことが出来ない営みです。
演劇は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、多様性を受け入れることができる人材を育成します。
私たちはコミュニケーション不全が取りざたされる昨今、演劇の役割はますます大きくなると確信しています。

設立

私たちは、各地域で地域演劇シーンの活性化を目的として、活動を続けてきました。
孤立し活動していた九州内の地域演劇に、近年ゆるやかなネットワークができ、その延長線上に九州地域演劇協議会は設立されました。
県域を越えた連携が密であり、国内でも有数の古い歴史をもつ九州という地域であること、そして演劇というコミュニケーション力に優れた芸術文化分野であるからこそ、私たちは連携することが出来ました。

地域の時代

他地域からの刺激を受け、時に手を借りることがあったとしても、その地域の文化の担い手はその地域で生活する人々にほかなりません。
商業ベース、採算ベース、効率性のみにとらわれない長期的な視点で、地域性の高い文化を育成していく必要があります。
中央一局集中から分権化・分極化へと向かう時代の中で、地域の人々により創られ、地域の人々に観られることを立脚点とする地域演劇は、あらたな地域アイデンティティを創造し、特色ある地域づくりに貢献することができます。

成熟社会へ向けて

経済成長という価値観がくずれさり成熟社会へと向かっていく時代の中で、私たちは生きる意味とも言える新たな価値観を発見せねばなりません。多様な価値観が認められる社会は、生きる意味を見いだしにくい社会とも言えます。
この国が初めて経験する時代に、私たちは演劇文化を通じて、あらたな価値観を模索していきたいと思います。

芸術文化の地域格差の是正

芸術文化環境の地域格差の是正も私たちが取り組んでいくべき問題です。私たちは特定の地域に文化資源が集中するのではなく、各地域がそれぞれの地域の個性を大切にして、それぞれの地域に特色ある演劇シーンをつくっていくことを目指します。
県域を越えた連携により設立された組織こそが取り組める課題に対しても、私たちは積極的に取り組んでいきたいと思います。
わたしたちの県域をこえた道州単位内での広域地域での連携が、他の地域にも勇気を与え、国内の多くの地域の演劇シーンを活性化につながることを願ってやみません。

これから

今後、九州地域演劇協議会は九州の地域演劇のネットワークの核となり、各地域の演劇人をつなげ、各地域の情報を共有し、連携し、相互に刺激し、九州の地域演劇を振興していきます。
また、私たちは、演劇人が演劇の内部にとどまることなく、行政や地域とも協働し演劇文化の成果をひろく一般社会に還元していきたいと思います。

関係者各位の、特段のご支援ご指導をいただけますことを切望いたします。

平成20年4月1日
九州地域演劇協議会 理事長 岩崎香代子
・おおいた演劇の会(大分)
・佐賀演劇連盟(佐賀)
・熊本演劇人協議会(熊本)
・宮崎県演劇協会(宮崎)
・鹿児島演劇協議会(鹿児島)
・NPO法人FPAP(福岡)

設立時役員名簿

理事長 岩崎香代子 (佐賀:佐賀演劇連盟)
理事 清末典子 (大分:おおいた演劇の会会長)
理事 堀田清 (熊本:熊本演劇人協議会)
理事 永山智行 (宮崎:宮崎県演劇協会会長)
理事 仮屋園修太 (鹿児島:鹿児島演劇協議会会長)
理事・事務局長 高崎大志 (福岡:NPO法人FPAP事務局長)
監事 工藤和行 (大分:おおいた演劇の会事務局長)
監事 蛯原達朗 (宮崎:宮崎県演劇協会副会長)

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